損失被害の減らし方

FXを利用する上で儲ける事と同じくらいユーザーにとって大事な事があります。それは負けない事、FXはその仕組み上レバレッジ次第では少ない金額で大きな勝負に出る事が可能ですがそれは同時に負けた時の損失も大きい事を意味します。どれだけ買っていても一回大きな損失を出せば稼ぎは一瞬で泡沫と散りますし、逆に大きな稼ぎは無くても少しずつ着実に稼げば次第に取り分は増えていきます。(→FX初心者向上委員会)さて損失被害の減らし方ですが、これはユーザーの心配りによって防ぐのは勿論FX会社側のシステムでも多少は予防が可能です。ここでは初心者の方に向けてそういったFX商品の持つ一部の危機管理機能やユーザーの心得について紹介します。


初心者でもわかるFX危機管理機能

ユーザーに大きな損失を伝える機能としては「マージンコール」やそこからの「ロスカット」等が代表的です。FX上級者の方はもちろん特に初心者の方は大きな損失を避ける為何かしらのシステムが導入された商品のほうが最初は安心かもしれません。 マージンコール

・マージンコール
マージンコールとは相場の推移によって現在所得しているポジションの価値が下がり、想定されるあなたの損失が証拠金の50%を切った場合に発生する会社からあなたへの警告です。例えば証拠金が100万円あったとして、あなたが1ドル=100円の時に1万ドル買いでポジションを確保したとします。しかしその後円高が始まり1ドル=49円まで落ち込んだとします。そうすると保持しているポジションによって証拠金が50%を下回る49%になります。この瞬間マージンコールが発生しあなたの取得しているポジションが大きな損失を出している事が伝えられます。このマージンコールは原因となっているポジションを決済する事、あるいは証拠金が損失の50%以上になるよう追加する事でポジションを保ったまま解消されます。

・ロスカット
ただもしいずれの手段も持ちいらずマージンコールを放置した場合、FX会社は「ロスカット」に移行します。ロスカットとは簡単に言ってしまえば大型の損失を防ぐための強制決済の事です。ロスカットが実行された場合ユーザーの意思に関係なく所得していたポジションは決済される事になります。ただロスカットのルールは会社によってまちまちで、証拠金の50%を下回ったら執行という所もあれば証拠金の20%を下回ったら執行とする所もあります。出来る事ならロスカットが発動する前に自分で損失を出している事に気付きたいものですが、念の為自分が利用することになる商品のロスカット・ルールは一度目を通して置くと良いでしょう。

マージンコールにしてもロスカットにしてもいずれもユーザーの大損害を防ぐためのあくまで救済措置に過ぎません。証拠金を下回る事はなくても可能であればお世話になりたくないものですね。


やってはいけない取引方法

またFXを利用する上でこういったシステム以外にも大きな損害を出さないためユーザーの出来る事はいくつかあります。例えば極力「ストップロス(指切り)」を活用する事、そしてナンピンや塩漬けは避ける事。この二つを心がける事で小さな損失は出ても、極端に大きな損失が出る事はないでしょう。 悩む

・ストップロス(指切り)
ストップロスあるいは指切りとは簡単に言ってしまえばダメだと思ったらすぐ決済する事です。また具体的には何%以上の損失が出たら何が何でも切るといったルール付け等がこれにあたります。FX初心者に特に多いのは「今は相場が下がってしまっているけどこのまましばらく様子を見ていたらまた上がり出すのではないか」という根拠の無い自信です。ただ相場のトレンドというのは一度一方に傾くとしばらくは逆方向に向かわないと言います。淡い期待をしている間に損失がみるみるうちに大きくなっていくなんて事はざらにある事で、そういった事態を避ける為にもストップロスは重要になります。例えば最初ポジションを取得した時点から1%以上損に傾いたら諦めて決済する等の自分ルールは必ず設けましょう。初心者のあいだは大まかに、0.5%以上の損なら切るくらいの気持ちで挑むと良いでしょう。

・ナンピン
ナンピン買いとは簡単に言うと一発逆転を期待した「不利買い」の事です。例えば1ドル=100円の時にドル買いを行ったとします。しかしその後円高が進み1ドル=90円まで落ち込み10円分の損失が予想されるとします。ここで更に安くなったドルを購入するのが「ナンピン」買いです。理論上この後1ドル=95円まで回復したら5円分の損と5円分の得であなたの収益はプラスマイナス0、負け分はどうにか取り戻せるといった考え方です。また当初の目論見通りこのまま円安が進み1ドル=110円にでもなればより安くドルが買えた為大勝利、10円分の得に加え20円分の得で30円分の稼ぎという計算になります。しかしそう簡単にいかないのがFXの怖い所で、前述の通り一度一方向に大きく動いたトレンドがそう簡単にひっくり返る事はありません。追加して買えば買うほど、1円また1円と円高によって受けるダメージは増える事になります。上記の例ならそのまま1ドル=80円まで落ち結果20円分の損に加え10円分損を追加してしまったなんて事になりかねません。

・塩漬け
塩漬けとはどれだけ負けてもストップロスを行わずポジションの保持を続ける行為の事を指します。ナンピン同様に利用者心理として近いうちにまた相場が回復するだろうという淡い期待のもとポジションの保持が行われます。しかし繰り返しにはなりますがなかなか一度落ち込んだ相場が回復する事はありません。例外としてスワップポイントが高い等何かしらの理由があるのであれば瞬時にストップロスを行う必要はありません、しかし短期取引をメインで行なっている場合やスワップポイントが逆に取られる場合等は速やかに見切るのがセオリーとなります。

様々な呼称が手法別に用意はされていますが早い話が「早い段階で負けを認める事」「執着しない事」「見切りは早くつける事」でいずれも防ぐ事が出来るという事です。どんな上級者でも全戦全勝とはいかないのがFX、相場の動きは不規則で誰にも正確には読めません。その為大なり小なり多少は負けて当然なのです。そんな時如何に損失を減らし次にいけるか、それが初心者には勿論全てのFXユーザーにとって大切な心構えとなります。 思案